集客も販売も自己流で売上が安定しない社長へ——『たった1日で儲かる社長に生まれ変わるマーケティング大全』に学ぶ儲かる仕組みを一本化する方法

経営改善

📖 この記事で紹介する書籍

『たった1日で儲かる社長に生まれ変わるマーケティング大全』(小山 竜央)
Amazonで見る →

「先月は受注が多かったのに、今月はぱったり止まった」——そんな売上のジェットコースターに乗り続けている社長は、決して少なくありません。

口コミで紹介が来たとき、SNSがたまたまバズったとき、知人から仕事を回してもらったとき。そういう「偶然の集客」に頼っているうちは、売上は永遠に安定しません。

私・えだもん(枝元宏隆)は中小企業診断士として九州を中心に100社以上の経営者に伴走支援をしてきました。その現場で痛感するのは、売上が伸びない会社の多くは「マーケティングの設計」が抜け落ちているという事実です。

今回紹介する小山竜央著『たった1日で儲かる社長に生まれ変わるマーケティング大全』は、集客・教育・販売という3つのフェーズを「1本の流れ」としてつなぎ、再現性のある儲かる仕組みを構築するための実践書です。タイトルに「たった1日で」とあるのは誇張ではなく、「考え方のスイッチを入れる」ための表現だと私は受け取っています。読み終えたとき、あなたのビジネスの設計図は確実に変わっているはずです。

なぜ自己流マーケティングは「運任せ」になるのか

📝 えだもんの現場視点

支援先の建設業の社長が「チラシを配っても反応がない」と悩んでいました。話を聞くと、チラシには会社の実績と連絡先しか書かれておらず、「なぜあなたに頼むべきか」が一切なかった。ターゲットの悩みを言語化し、「この人のために書いた」と感じさせる文章に変えただけで、問い合わせ率が3倍になりました。設計がなければ、どれだけ施策を打っても穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じです。

「売れた理由」を説明できますか?

支援先の社長に「先月、売上が上がった要因は何ですか?」と聞くと、多くの方が「よくわからないけど、問い合わせが増えて」「知り合いに紹介してもらって」と答えます。これは売上が上がっているようで、実はマーケティングが機能していない状態です。

本書は冒頭でこの問題を明確に指摘します。「儲かる社長と儲からない社長の違いは、才能でも運でもなく、仕組みがあるかどうかだ」と。自己流マーケティングの最大の問題は、再現性がないことです。偶然うまくいった手法を「成功体験」として繰り返そうとするものの、環境が変わると機能しなくなる。その結果、また別の自己流を試す——この繰り返しが、売上の不安定さを生み出しています。

「集客」「教育」「販売」がバラバラだと詰まる

本書が提示する核心的な問いはシンプルです。「あなたのビジネスに、集客から成約までの一貫した流れはありますか?」

多くの中小企業が陥るのは、集客だけ頑張る・販売だけ頑張るという「点の施策」です。SNSをがんばって認知は上がったのに成約しない。セールスは得意なのに見込み客がいない。これらはすべて、流れが分断されていることが原因です。本書はこの3つのフェーズを「線」でつなぐことの重要性を、具体的な事例とともに解説しています。

本書の核心:「儲かる仕組み」の3ステップ設計

ステップ1:集客——「誰に届けるか」を決める

本書が集客の出発点として置くのは、ターゲットの明確化です。「すべての人に届けようとすると、誰にも刺さらない」という原則は、頭ではわかっていても実践できていない社長が多い。

小山氏が提唱するのは、「この人のために作った」と感じさせるメッセージ設計です。ターゲットの悩み・欲求・ライフスタイルを解像度高く描き、その人の「言葉」でメッセージを届ける。これによって、広告費をかけなくても刺さる集客が可能になります。

また、集客チャネルの選定についても具体的な指針が示されています。SNS・ブログ・YouTube・広告——どれが正解かではなく、ターゲットがいる場所に出ていくことが大前提だと本書は教えます。

ステップ2:教育——「買う理由」を育てる

本書の中で私が最も重要だと感じたのが、この「教育」フェーズです。日本のマーケティング書では、集客と販売の間にある「教育」が抜け落ちていることが多い。しかし現実には、見込み客の多くは「今すぐ買う人」ではなく「まだ決めていない人」です。

教育とは何か。それは、見込み客が「この人(この会社)から買いたい」と感じるまで、価値を伝え続けるプロセスです。メルマガ・LINE・SNS投稿・動画・セミナーなど、手法はさまざまですが、共通するのは「信頼の蓄積」です。本書では、教育コンテンツの具体的な作り方と、リストを資産として育てる考え方が丁寧に解説されています。

ステップ3:販売——「断られない設計」をつくる

セールスが苦手な社長は多い。しかし本書は「セールスが苦手なのは、それ以前の設計が甘いから」と断言します。集客・教育が正しく機能していれば、販売は「背中を押す」だけでいい。

本書が紹介する販売設計のポイントは、「オファーの強さ」と「リスクリバーサル」です。何を売るかではなく、どう提案するか。返金保証・無料体験・分割払いなど、顧客の「リスク」を取り除く設計が、成約率を劇的に変えます。また、価格設定についても「安売り競争に入らないための価値訴求」が具体的に学べます。

100社以上を見てきたえだもんの現場視点

CFO視点で見る「マーケティング投資」の考え方

14年で2,000冊超のビジネス書を読んできた私の経験からも、マーケティングの全体設計を「集客→教育→販売」の一本線で語り切っている本書は、中小企業経営者にとって実用性が高い一冊だと断言できます。理論だけでなく、すぐに使える具体的なフレームワークが随所に散りばめられており、読み終えたその日から動ける構成になっています。

この本が特に刺さる人・刺さらない人

📝 えだもんの現場視点

100社以上を見てきて感じるのは、「教育」フェーズを意識している経営者がほとんどいないという現実です。ある士業の先生が無料相談を毎月20件こなしているのに成約率が10%以下だった。原因は、相談前に「なぜこの先生に頼むべきか」を伝える仕組みがなかったこと。メルマガで事例と考え方を発信し始めたところ、相談前から「お任せしたい」と言われるケースが増え、成約率が約3倍に改善されました。

こんな社長に強くすすめたい

  • 売上が月によってバラバラで、安定しないと感じている
  • 集客は頑張っているのに、なぜか成約につながらない
  • セールスが苦手で、値引きや値下げで対応してしまっている
  • マーケティングを「なんとなく」でやってきた自覚がある
  • SNSや広告を始めたいが、何から手をつければいいかわからない

読む前に知っておきたいこと

本書はあくまで「考え方と全体設計」を教える本です。個別のSNS運用テクニックや広告の細かい設定方法を期待すると、物足りなさを感じるかもしれません。しかし逆に言えば、手法やツールが変わっても応用できる「原理原則」が学べる本です。

また、「たった1日で」というタイトルから即効性を期待する方もいるかもしれません。実際には、本書の内容を自社に落とし込み、仕組みとして動かすまでには一定の時間と実行が必要です。しかし、「どこに向かうか」の設計図は、1日で手に入ります。それだけでも十分に価値ある読書体験です。

えだもんが考える「この本の使い方」

読み方:2回読みが効果的

1回目は全体を通読し、自社のマーケティングのどのフェーズが弱いかを把握する。2回目は弱いフェーズの章を重点的に読み込み、具体的なアクションを書き出す。この「診断→処方」の順で使うのが私のおすすめです。

実践:まず「現状の流れ」を紙に書く

本書を読んだあとにやるべきことは一つです。自社の「集客→教育→販売」の現状フローを、A4一枚に書き出すこと。書いてみると、どこが「点」になっていて、どこが「線」でつながっていないかが一目でわかります。

私が支援先でよく使うのは、「見込み客が初めて自社を知ってから、成約するまでの経路を全部書き出す」というワークです。これをやると、意外なところに穴があることに気づきます。本書を片手にぜひ試してみてください。

応用:補助金・資金繰り改善とセットで考える

私の支援領域には補助金・資金繰りも含まれます。マーケティング設計を整えると、投資対効果が明確になり、補助金(特に販路開拓系の補助金)の申請にも説得力が生まれます。「儲かる仕組みを作る」ことは、経営全体を強くすることに直結しています。本書で設計した仕組みを、資金面からも強化していく視点を持つと、より効果が高まります。

📝 えだもんの現場視点

伴走型CFOとして資金繰りを見ていると、マーケティング投資を「コスト」と捉えている社長が多いことに気づきます。しかし集客・教育・販売の流れが設計されていれば、1万円の広告費が生む売上を計算できる。投資対効果が見えれば、経営判断のスピードが上がります。補助金申請でも「販路開拓の仕組みがある会社」は審査で有利です。マーケティング設計は、財務戦略と切り離せない経営の根幹だと私は考えています。

自己流のマーケティングで「なんとかなっている」うちは、その脆さに気づきにくいものです。しかし、環境が変わったとき・競合が増えたとき・紹介ルートが途絶えたとき——そのとき初めて「仕組みがなかった」ことに気づきます。

仕組みは、余裕があるうちに作るものです。

本書はその「仕組みの設計図」を、1日で手に入れられる一冊です。まだ読んでいない方は、ぜひ今週中に手に取ってみてください。

📖 この記事で紹介した書籍

『たった1日で儲かる社長に生まれ変わるマーケティング大全』(小山 竜央)
Amazonで見る →

明日の一手

本を読んで「なるほど」で終わらせないために、今日から動ける3つのアクションを提示します。小さく始めることが、仕組み化への最短ルートです。

  1. A4の紙を1枚取り出し、「お客様が自社を知ってから購入するまでの経路」を書き出す。抜けているステップ・曖昧なステップを丸で囲む。これだけで自社マーケティングの「穴」が可視化できます。
  2. 自社の「理想の顧客像」を1人だけ具体的に描いてみる。年齢・職業・悩み・よく見るSNS・購買の決め手を箇条書きにする。その人に向けて、SNSかメールで1本だけメッセージを発信してみましょう。
  3. 月に1回、「集客→教育→販売」の各フェーズの数字(流入数・反応率・成約率)を記録・振り返る時間を30分確保する習慣をつくる。数字を追うことで、どのフェーズを改善すべきかが自然と見えてきます。

この記事のまとめ(Q&A)

売上が安定しない社長は、まず何を見直すべきですか?

売上が月ごとにぶれる原因は、集客・教育・販売がバラバラに動いていて、偶然に頼った集客になっていることにあります。『たった1日で儲かる社長に生まれ変わるマーケティング大全』は、この3つのフェーズを一本の流れとしてつなぐ設計を勧めています。まずは、お客様が自社を知ってから購入するまでの経路をA4一枚に書き出し、抜けている部分や曖昧な部分を確認するところから始めます。

儲かる仕組みを作る3ステップとは?

本書が示す3ステップは、集客、教育、販売です。集客では誰に届けるかを決め、ターゲットの悩みや言葉に合わせてメッセージを設計します。教育では、メルマガやLINE、SNS投稿などで価値を伝え続け、買う理由を育てます。販売では、オファーの設計と返金保証や無料体験などのリスクリバーサルによって、断られにくい提案をつくります。

マーケティングにおける「教育」とは?

教育とは、見込み客が「この人から買いたい」と感じるまで、価値を伝え続けるプロセスです。見込み客の多くは今すぐ買う人ではなく、まだ決めていない人だからです。メルマガ、LINE、SNS投稿、動画、セミナーなどを使って信頼を積み重ねます。集客と販売の間にこのフェーズを置くと、販売は背中を押す場面に近づきます。

この記事の根拠と執筆背景

執筆者について

枝元 宏隆(えだもん)。中小企業診断士。九州を中心に100社以上の中小企業経営者に伴走支援を実施。補助金・資金繰り・組織づくり・事業承継が専門領域。14年でビジネス書2,000冊超を読破し、選書メディア「本で解く」(hondetoku.jp)を運営。レフティ合同会社 代表。

執筆・更新日

執筆: 2026-06-16 / 最終更新: 2026-06-16

えだもん (中小企業診断士)

中小企業診断士/連続起業家。21歳で起業、以来14年でビジネス書2,000冊超を読破。実務で効いた本だけを紹介する「課題突破の選書エージェント」運営者。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP
CLOSE