『ひとりビジネスの教科書 Premium』要約|5つのフェーズとAからBへの方程式を副業に使う方法【動画つき】

起業・独立

副業や起業に関心はあるのに、資格を取ったり発信方法を調べたりするだけで、なかなか始められない。『ひとりビジネスの教科書 Premium』は、その原因を意志の弱さではなく、「テーマ」と「手段」の取り違えに求めます。

この記事は、本要約チャンネル「エダモン」の要約動画(約21分)を、読んで確かめられる形に整理したものです。要点の表、副業と小さな事業への置きかえ手順、向く人・向かない人、動画の該当章へ飛べる時刻表を加えています。

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『ひとりビジネスの教科書 Premium 自宅起業でお金と自由を手に入れて成功する方法』(佐藤伝/Gakken)
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『ひとりビジネスの教科書 Premium』の要約を3行で

  1. ひとりビジネスは、テーマ決めから自動化までの5つのフェーズを順番に進めます。
  2. テーマは手段の名前ではなく、「誰を、どの状態からどの状態へ変えるか」で決めます。
  3. 商品は24通りに分解し、松竹梅の価格帯と無料にしない範囲を設計します。

動画で見る(約21分)

動画では、中小企業診断士・FPのエダモンが、本の5つのフェーズ、テーマと手段の違い、商品と値段の作り方を順に解説しています。まず全体像をつかむなら動画、各項目を表や手順で見直すならこの記事、という使い分けができます。

時刻章この記事の該当見出し
1:161章 5つのフェーズと、ゴールどんな本か
5:252章 テーマと手段の、取り違えテーマと手段の取り違え
7:443章 商品と、値段の作り方商品と値段の作り方
13:205章 ビビサクと、さわズービビサクと、さわズー
14:536章 どこを目指すのかどこを目指すのか
16:487章 この本の、古くなった部分読むときの注意点

どんな本か

『ひとりビジネスの教科書 Premium』は、佐藤伝さんが、個人で小さく事業を始めて育てる順番をまとめた本です。著者は習慣化の分野で長く本を書いており、本書では起業と副業に焦点を絞っています。

図解が多く、各章の終わりには、実際に始めた人の事例が名前と年代つきで載っています。心理セラピーを学び、講座を開いた50代の女性の話など、始める前の生活と、行動した後の様子が伝わる構成です。

迷いから自動化までの5つのフェーズ

本は、ひとりビジネスの成長を5つのフェーズに分けます。著者の経験では、7割以上の人がフェーズ1の「迷い」にいるといいます。

フェーズ状態取り組むこと
1迷いの状態始めたいが、テーマや行動が決まっていない
2テーマを決める誰に、何を、どのように提供するかを決める
3コンテンツ作りテーマに沿って商品やサービスを形にする
4集客と販売必要な人に知らせ、購入をお願いする
5自動化する放っておいても回る仕組みを作る

ゴールはフェーズ5の自動化です。ただし、本は途中のフェーズを跳び越せないと説明します。商品が決まる前に集客方法を探しても、集めた人に何を渡すのかが定まりません。今いるフェーズで必要なことを終えてから、次へ進む順番です。

会社を辞めずに小さく始める

本は、感情的に会社を辞めてから始める方法を勧めていません。準備不足のまま時間だけが増えると、本を読み、セミナーを回るインプットに偏りやすくなります。収入がゼロになれば、稼がなくてはならないというプレッシャーも生まれます。

本が繰り返すのは、「小さく始めて大きく育てる」という考え方です。本業を続けながら試せば、収入をすぐに失わずに済みます。会社を辞めることを、ひとりビジネスの開始条件にしない立場です。

シングルキャリア・マルチインカム

収入を増やすために新しい資格を取り、別の職種へ移ると、その分野を最初から覚える時間が必要です。本はこの形を「マルチキャリア・シングルインカム」と呼び、遠回りだと指摘します。

代わりに勧めるのが、「シングルキャリア・マルチインカム」です。今の仕事を続けながら、同じ経験から生まれる収入の入り口を増やします。本には、一般事務を続けながら、資料整理の方法やデータ収集のコツを別の形で提供する例が出てきます。経験の土台を増やすのではなく、出口を複数にする考え方です。

テーマと手段の取り違え

「誰に、何を、どのようにして」で決める

本に登場するセミナー参加者は、「テーマが決まりました」と著者へ報告し、その内容をコーチングだと説明します。すでに資格も取得していました。しかし著者は、コーチングはテーマではなく、手段だと返します。

テーマを決める型は、「誰に、何を、どのようにして」の3点です。コーチングは、3つ目の「どのようにして」に入ります。資格名やサービス名だけでは、誰のどのような問題を扱うのかが決まっていません。

項目決める内容混同しやすい点
誰に商品を届けたい相手対象を広げすぎる
何を相手のどの状態を変えるか資格名や作業名で済ませる
どのようにして変化を生むために使う手段手段そのものをテーマだと思う

AからBへ変わる方程式

商品が提供する変化を考えるために、本は「AからBへ変わる方程式」を示します。Aは商品を使う前のお客さんの状態、Bは使った後の状態です。

本の例では、Aは子育てに悩み、時間が取れず、夫の協力やママ友との関係にも困っている人です。Bは、その悩みが解消して、すっきりした人です。著者は、Bの姿を思い浮かべたときに自分がワクワクするなら、そのテーマは正解だと説明します。

商品を「何をするか」だけで表すと、購入後に何が変わるのかが分かりません。AとBを言葉にすれば、扱う悩みと目指す状態が見えるようになります。

コア・メッセージまで掘り下げる

本は、「何のためにやるのか」という問いも重ねます。方法や商品名より深いところにある、ビジネスの根を言葉にしたものが「コア・メッセージ」です。

誰のどの状態を変えたいのかに加えて、なぜ自分がその変化に関わるのかを確かめます。この言葉が、商品作りや発信の方向をそろえる軸になります。

商品と値段の作り方

4つの視点から24通りを作る

本は、最初からオリジナル商品にこだわることを禁物としています。商品を4つの視点で分け、組み合わせれば24通りの選択肢ができると説明します。

視点選択肢考えること
誰が作ったか他人の商品、自分の商品、コラボ商品最初から自作する必要があるか
形があるかモノ、サービス何を受け取れる商品にするか
どこで売るかネット、リアルどの場所で届けるか
誰が売るか自分、他の人販売を誰が担当するか

重要なのは、他人の商品から始めてもよい点です。自分でゼロから制作するより、早く始められます。

本には、読書が好きな人が、本の要点をまとめて感想を加え、有料メールマガジンとして配信した例が載っています。そこで提供しているのは本そのものではなく、購読者が読むために使う時間の節約です。

本には購読者数と月の売上も書かれていますが、紹介されている一例です。同じ方法で同じ結果が出るという約束ではありません。参考になるのは、自分がすでに行っていることを、ほかの人の時間を節約する商品へ組み直した点です。

松竹梅と逆ピラミッド

値段について本が示す基本形は、松竹梅の3段階です。高いフルセット、中間の商品、手頃な商品を用意します。本は、行動経済学の「極端の回避性」を使って、真ん中が選ばれやすい理由を説明します。高い商品には失敗への不安があり、安い商品には効果への心配があるためです。

価格帯本での呼び方役割
手頃フロントエンド商品最初に利用する入り口
中間ミドルエンド商品入り口と高額商品をつなぐ橋渡し
高額バックエンド商品利幅を確保し、経営の安定につなげる

この3つを、上に安い商品、下に高い商品を置いた逆三角形に書き出します。本は、この図を事業の設計図として使います。

著者は、商品の最高金額がセルフイメージを表すとも述べています。誰も申し込まなくてよいので、高額商品を1つ設定するよう勧めます。本には、低価格で便利屋をしていた男性が高額コースを作り、申し込みと紹介につながった事例があります。ただし、著者自身もかなり極端な例だと書いています。

無料から始めない

本が示す禁じ手は、無料から始めることです。無料のセミナーや講演へ来る人は、追加の説明や資料、連絡先まで無料で求める可能性があると説明します。最初を無料にすると、その後に有料へ移しにくくなります。

お試し価格として割り引くことは認めていますが、ゼロ円は避ける立場です。無料で多くの人を囲い込む方法は、資金が潤沢な大企業の発想であり、対応人数に限りがあるひとりビジネスには負担になります。

ビビサクと、さわズー

ビビッと感じたらサクッと動く

本は行動の習慣を「ビビサク」という造語で表します。ビビッと感じたら、サクッと行動するという意味です。著者は、うまくいったときには迷わなかったはずだとして、「迷ったらやめる」という判断を示します。

考え続けることでフェーズ1にとどまる人に対し、感じたことを小さな行動へ移すための言葉です。商品や発信を完成させてから動くのではなく、試すことで次の材料を得ます。

さわやかに正面からお願いする

もう一つの造語が「さわズー」です。「さわやかな、ずうずうしさ」を意味します。本には、営業で最強の言葉は「買って」だと書かれています。

良い商品を用意しても、存在を知らせず、購入をお願いしなければ販売には進みません。まわりくどく伝えるのではなく、自信を持って正面から案内する姿勢です。

どこを目指すのか

意識とパワーのマトリックス

本の終盤には、「意識とパワーのマトリックス」が登場します。縦軸は、人の役に立ちたい、社会に貢献したいという意識の高さです。横軸は、周囲を巻き込み、実際に動かすパワーの強さです。

意識パワー本が示す状態
高い弱い論理や知識はあるが、実行が伴わない
低い強い稼ぐ力はあるが、遵法の意識が欠けている
低い弱い行動できない
高い強い幸せな成功者

目指すのは、意識とパワーの両方が強い区分です。この図は、自分に足りない軸を確かめ、次に補うものを見つけるために使えます。

ミッションとビジョンを北極星にする

本は最後に、ミッションとビジョンを扱います。ミッションは使命であり、命の使い方です。残っている自分のエネルギーを、どこに使うのかを表します。

ビジョンは志です。自分と他人の命が輝くために、成し遂げたい目標を指します。本はこの2つを、迷ったときにも方角を確かめられる北極星にたとえています。

副業と小さな事業に置きかえる手順

ここからは本に書かれている内容ではなく、FP・中小企業診断士としての置きかえです。本の型を、副業や小規模な事業で使うなら、次の順で整理できます。

  1. 今いるフェーズを確認する:商品が未定なら、集客方法を探す前にテーマへ戻ります。「SNSを始める」はフェーズ4の手段です。フェーズ2と3が空欄なら、先に埋めます。
  2. 毎日行っていることを書き出す:得意なことを探すより、今の仕事で繰り返している作業を挙げます。その中から、ほかの人の時間や手間を減らせる経験を探します。
  3. 誰に、何を、どのようにして、を一文にする:「何を」には資格名を書かず、AからBへの変化を書きます。資格やコーチングなどは、「どのようにして」に置きます。
  4. 商品を24通りの視点で分解する:自作だけに絞らず、他人の商品やコラボも候補にします。モノかサービスか、ネットかリアルか、自分で売るか他の人に頼むかを組み替えます。
  5. 価格帯を上へ1つ足す:既存商品の価格は変えず、内容を厚くした上位商品を作ります。値上げではなく選択肢の追加なので、今のお客さんが選べる商品は残ります。
  6. 1対1で消える時間を無料にしない:ブログや動画のように、見る人が増えても追加の対応時間が増えないものは無料で公開できます。個別相談や個別面談のように、自分の時間が直接減るものには少額でも価格を付けます。
  7. ビビサクの範囲を分ける:企画を試す、告知を出す、価格帯を加えるといった戻せる行動は、小さく早く試します。借入、店舗の賃借、機械の購入、雇用のように簡単に戻せない判断は、直感だけで決めません。必要な条件や負担は、本人と事業の状況に合わせて確認します。
  8. 購入を正面から案内する:商品を作ったら、対象となる人に内容と価格を伝えます。売り込む言葉を考え続ける前に、まず商品があることを知らせ、必要な人へ購入をお願いします。

読むときの注意点

  • 本は2020年に刊行されています。ウェブ会議、ブログサービス、メールマガジンなど、インターネットの具体的な使い方には古くなった部分があります。
  • 自分のホームページを土台にし、ほかの媒体を入り口にする設計は使えます。ただし、どの媒体を選び、どう運用するかは、そのまま真似しないほうがよい部分です。
  • 日本とアメリカのフリーランス人口の比較は、2019年の調査に基づいています。現在の割合として扱わないでください。
  • 高額商品の事例や、購読者数と月の売上が示された事例は、うまくいった一例です。同じ方法で同じ売上や成果が得られる保証はありません。
  • 「迷ったらやめる」というビビサクの判断は、戻せない支出や契約にそのまま当てはめないでください。借入や契約などは、ご自身の状況と負担を確認したうえで判断する必要があります。
  • 本に出てくる事例は、結果の約束ではなく、商品の組み立て方や行動の選択肢を増やす材料として読むのが適しています。

この本が向く人・向かない人

向く人向かない人
  • 副業や起業に関心はあるものの、何から始めるか決められない人
  • 資格や技術を、誰に何として売るか整理したい人
  • 商品を一つ作った後の価格帯や販売の流れを設計したい人
  • 小さく始めて、自動化までの順番を知りたい個人や経営者
  • 最新の媒体ごとの集客手順を、そのまま実行できる形で知りたい人
  • 成功事例と同じ売上を得るための再現可能な方法を求めている人
  • 会社を辞めてすぐに始めるための計画だけを探している人

今日からできる3つ

  1. 誰に、何を、どのようにして、を紙に書き、「何を」にお客さんの状態の変化を入れる。
  2. 今の商品は残したまま、その上に価格帯をもう1つ作る。
  3. 無料で行っていることから、自分の時間が1対1で消えるものを探して価格を付ける。

記事と動画で紹介したのは本の一部です。コア・メッセージの磨き方、自分メディアの作り方、応援される人の共通点、各章に載る実践者の事例までは扱いきれていません。図解と事例を見ながら、自分がいるフェーズと次の行動を書き込むために、手元に置いて使う価値がある本です。

▶ お金の名著を30分で。YouTube「エダモン|本要約チャンネル」

中小企業診断士・FPのエダモンが、お金の名著を原典に沿って要約し、日本の暮らしと会社のお金に置きかえて解説しています。どの回も1本で完結します。

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この記事のまとめ(Q&A)

『ひとりビジネスの教科書 Premium』は、どのような本ですか。

個人が小さく事業を始め、テーマ決めから商品作り、販売、自動化へ進む順番を示す本です。図解と実践者の事例が多く、各フェーズで何をするかを確認できます。

なぜ多くの人が始められないと説明していますか。

著者は、自分の経験では7割以上が「迷い」のフェーズにいると述べています。止まる主な理由として、コーチングや資格などの手段を、ビジネスのテーマだと思ってしまうことを挙げています。

AからBへ変わる方程式とは何ですか。

Aは商品を使う前のお客さんの状態、Bは使った後の状態です。何を提供するかを作業名だけで表さず、お客さんに生まれる変化として考える型です。

無料の商品はすべて避けるべきですか。

本は、最初を無料にすると有料へ移しにくいとして、ゼロ円を避けるよう勧めています。FP・中小企業診断士として置きかえるなら、特に個別相談や面談など、自分の時間が1対1で消えるものを無料にしない考え方です。

本の事例と同じ方法なら、同じ売上を得られますか。

同じ結果が出る保証はありません。本に載る金額の大きい事例には例外的にうまくいったものがあり、本自身が極端な例だと説明する箇所もあります。金額より、商品や価格帯の組み立て方を参考にする本です。

この記事の根拠と執筆背景

執筆者について

枝元 宏隆(えだもん)。中小企業診断士。九州を中心に100社以上の中小企業経営者に伴走支援を実施。補助金・資金繰り・組織づくり・事業承継が専門領域。14年でビジネス書2,000冊超を読破し、選書メディア「本で解く」(hondetoku.jp)を運営。レフティ合同会社 代表。

執筆・更新日

執筆: 2026-10-08 / 最終更新: 2026-10-08

えだもん (中小企業診断士)

中小企業診断士/連続起業家。21歳で起業、以来14年でビジネス書2,000冊超を読破。実務で効いた本だけを紹介する「課題突破の選書エージェント」運営者。

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